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ショッピングカートのブルース

チェックするトコロはそれなりにある。

それは、スムーズに転がるのか?
大きさは適しているか?
持ちやすいのか?
ガタガタ、音がしないか?

車輪のマワリが悪く、動かすたびに
「ガタンガタン」という音とともに振動し続けるカートを選んでしまったならば、
その日はだいなしだ。


そう。
スーパーマーケットや、ホームセンターでのショッピングカート選びは、
その日の買い物の運命を握る。

たかが10分の買い物だとしてもだ。
いわば、ショッピングカートは、その日の僕のパートナーなのだ。

ゆえに。
いろいろ機能的な部分をチェックをするのも必要ではあるが、
ショッピングカート選びは、インスピレーションを大切にしたい。


今日のお前には、この俺だ。
だまって俺をつれていけ。
お前の荷物は俺に任せろ。

そんなカートを選べってコトだ。



僕は、運命のカートと、ホームセンターを歩く。

いくつかの商品をカートに入れると、カートの重量は増した時、
カートは、小回りが利きずらくなるから、
僕はカートを売り場に放置して、次の商品を探しにいく。

こんな時、僕らはコトバを交わさない。
カートは僕のしたいコトをわかっているし、
僕も、カートが自分の役目への、強い気持ちを知っている。。


「俺もいっしょにつれ行っておくれよ。」
僕の選んだカートが、そんなコトを言ったコトなんて、一度もない。


新たな商品を手にした僕は、カートを放置していた場所に向かう。
視界にカートが入ったあたりで、僕はすでに次に選びに行く商品を頭にえがく。

カートの方を見ずに、歩みを止めずに、商品をカートに投げいれる。

ガチャンと、少し音がするが、想定内。
僕のカートだ。中にある商品は把握している。
だから、壊れない程度のチカラ加減。
カートもそれを知っている。

カートに商品を投げ入れた僕は、あいかわらずカートなど見ずに、
そのまま次の売り場へと歩く。

そんな時も、
カートも僕の方など見ないし、互いにコトバも交わさない。


そう。
僕は、必要な商品を探す。
カートは、商品を守る。

ただそれだけだ。


「阿吽(あうん)の呼吸」とでも言うのだろうか。



カートを後にした僕だったが、
探しているイメージの商品に出会えぬので、探すのをやめ、
僕はカートの方へ戻り始める。


カートが視界にはいる。



ん?



見知らぬフタリ組みの女性が、まさに、放置していた場所から、
僕のカートを押して出発しようとしている。
それに、さっきカートに投げ入れた商品が、カートから出され、
近くの棚に置かれているじゃないか!


どうしたカート?
おまとしたコトが、どういうコトだ?
いったい何があったんだっ?



想定外の光景に
時間が止まったのは3秒くらい。


その時間は、僕に気づかせる。




「僕のカートじゃない?」





そう。さっき僕が商品を投げ入れたカートは、僕のカートじゃない。
見知らぬ女性のカート。

女性の押す、僕のカートだと思い込んでいたらしいカートををあらためて見ると、
僕が選んだ商品と、ぜんぜん違う商品がカートにはいっている。

確定。

僕のカートじゃない。




数分前の自分の姿が、オートマティックで頭の中にプレビューされる。

少し早歩きの男。
何に対してなのかは不明だが、あきらかに、何かに得意げに歩く男。
片手には商品を持つ男。
早歩きのまま、とおりすがりにあった、見知らぬ人のカートに、
商品を投げ入れ「がちゃん」と音を響かせる男。
あいかわらず、得意げなまま、そのカート振り向きもせずに、
その場を通り過ぎる男。



あぶない。
まちがいなく、そんなヤツを見かけたら、僕ならば、近寄らぬ。

が、しかしだ。
それは、
悲しいかな、数分前の自分の姿。

悟られてはならぬ。
女性のフタリ組みには、けして、悟られてはならぬ。
今すぐ、僕のもてる、すべての力を使い、この場から逃げ出そう。


そう思った僕を見つめる、女性フタリ組み。


「ごめんなさい。まちがえました。」


苦笑される僕。
はじかれた僕の商品を回収する僕。
たちさる僕。
それから、僕のカートが10分以上もみつからぬ僕。


ああ。
ブルースが、今日も僕の憂鬱をあざ笑う。


よこち

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